武器を置く「強さ」を

2022年6月28日(火)放送分

担当は宮城葉子さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

23日の慰霊の日、宮古島市で開かれた
市全戦没者追悼式で西辺中学校3年生の
上原美晴さんは自作の平和の詩
「Unarmed(非武装)」を読み上げました。

相手を傷つけることでしか
自分を守れないことを「弱さ」と訴え、
命を尊び、人の痛みが分かることが
「強さ」なのだと語り掛けました。

去年の慰霊の日、沖縄全戦没者追悼式で
自作の「みるく世の謳」を朗読し、
多くの賞賛を得た一方、
一部の人間から誹謗中傷を受けました。

「つらかった。悔しくて痛くて、
この痛みをどう分からせてやろう」と、
傷ついた心に「どす黒い雨」が降りましたが、
インタビューに答える高齢女性の
「どちらも武器を置きなさい」との
平和を願うある言葉が耳に焼き付きました。

自問を重ねる中で、相手を憎むことによって
傷ついた自分や仲間を守ろうとすることこそが
「弱さ」だと思うようになりました。

「憎しみが何を産んできたのか。
命こそ大切なものじゃないか」。
戦禍を耐え、悲しみを抱えててもなお許す心、
武器を置ける「強さ」に気付きました。

上原さんは
「私の弱さも強さも、人への思いやりや、
平和へのかたくなな決意にしていきたい」
と語りました。

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