おなじみの黄色と赤色の箸『ウメーシ』の危機

「おなじみの黄色と赤色の箸『ウメーシ』の危機」

方言ニュース8月2日(金)放送分。
今日の担当は林京子さんです。
方言ニュース 琉球新報の記事からお伝えします。

「ウメーシ」と呼ばれ、沖縄そば店や食堂でもよく見掛ける
沖縄でおなじみの黄色と赤色の配色が印象的な箸が
食卓から消える危機に直面しています。

製造元の鹿児島県薩摩川内市の竹材加工業社が廃業し、
先月いっぱいで生産がストップしたためで、
那覇市内の卸業者が抱える在庫分がなくなり次第、
市場への新規の出荷はできなくなる見込みです。

正式な商品名は「竹塗箸」で、30年ほど前から
県内で流通している竹製の箸ですが、
抗菌作用を持たせるためにウコンを使った染料で染め、
滑り止めに漆を塗りつけています。

生産中止について、那覇市内の卸業者は
「1本ずつ手作りしていたが、職人の高齢化が進み、
後継者の確保ができなくなった。
原材料の高騰によるコスト増もネックになった」と話し、
「福井県にも土産品として同じ種類の製品を作る業者がいるが、
入荷コストは倍。今後は食堂などでも見る機会が減っていく。
沖縄文化の象徴がなくなってしまうようで寂しい」と肩を落としています。

また、年に一度、正月明けに入荷するのが恒例だった
県庁地下の食堂の男性店主は
「ウメーシを市場に買いに行って『今年もがんばろう』という気持ちになった。
張り合いがなくなってしまう」とため息をつきました

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