戦時中に流出の文化財 アメリカで発見 返還される

2024年3月20日(水)放送分

担当は上地和夫さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

戦時中に沖縄から流出した文化財が
このほどアメリカで発見され、
14日に県へ返還されました。

返還された文化財は22点で、
第二尚氏第13代国王尚敬と
第18代国王尚育の御後絵=
琉球国王の肖像画が含まれています。

尚敬の御後絵は縦横およそ160センチ、
尚育は縦横およそ150センチの大きさで、
 琉球文化研究者の鎌倉芳太郎が1925年に
撮影したモノクロ写真が残されていましたが、
今回初めて実際の色彩が判明した
御後絵の実物が戦後確認されたのは初めてです。
 
県は2001年、流出文化財について
FBI=アメリカ連邦捜査局の
盗難美術品ファイルに登録申請し、
去年3月、FBIから外務省を通じて、
流出文化財22点が発見されたと
県に照会がありました。

県はこれらが沖縄戦で持ち出された
文化財である可能性が「極めて高い」と
判断し、移送を依頼しました。

県は有識者委員会を設置して、
詳細について調査し、
損傷状況に応じて公開を検討します。

玉城デニー知事は「70数年の時を経て、
王国時代を肌で感じられる沖縄の宝が
戻ってきたことは
大きな喜びだ」と述べました。 

研究者らは
今後は特に色彩の研究が加速することで、
琉球王国時代に関する新たな史実が
一つでも多く解明されることに
期待を寄せています。

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