支え合い、紡ぐ芭蕉布

2022年7月26日(火)放送分

担当は宮城葉子さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

東京都港区の大倉集古館で
31日まで開催中の
「芭蕉布 人間国宝・平良敏子と
喜如嘉の手仕事」展に合わせ、
このほどトークイベントが行われ、
101歳の敏子さんの後継者の
平良美恵子さんが出席し、
「力を合わせることで、1+1は10になる」
などと、友部と呼ぶ仲間と取り組んできた、
芭蕉布の制作について語りました。

大宜味村喜如嘉の「芭蕉布織物工房」では、
およそ3年かけて栽培したイトバショウから
糸を紡ぎ、織り上げ洗濯するまで
一貫して行っていますが、
戦後、その復興に尽力したのが敏子さんです。
戦争で夫を亡くした女性らとの共同作業で、
沖縄に伝わる助け合いの精神「ゆいまーる」が
支えとなりました。

「1人で黙々と作業をすると、
1反を作るために何日もかかる。
近所で力の貸し借りをすると苦しいことも
楽しくできる。得意、不得意を
互いにカバーできる信頼関係が
生まれるのです」
と美恵子さんは話しました。

2024年には「喜如嘉の芭蕉布」が
国の重要無形文化財指定50周年の
節目を迎えます。
現在およそ70人が作業に従事していますが、
美恵子さんは
「琉球ではなく『喜如嘉の』と限定されている」
などと伝承する難しさを語りました。

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