発掘人骨から分かる宮古島の歴史

2016年12月28日(水)放送分
担当は上地和夫さんです。

宮古島市教育委員会の今年度の公開活用事業文化講座
「最新の研究が解き明かす宮古の歴史」が
このほど、宮古島市中央公民館で開かれ、
元琉球大学助教の土肥直美さんが
宮古島の人骨調査から判明した調査結果を講演しました。

この中で、土肥さんは、
市内平良の外間遺跡から出土した人骨のミトコンドリアDNAを分析すると、
男性は北アジアに多いG1タイプで、
女性は沖縄に特に多いM7aタイプが検知されたと説明し、
「M7aは母方からしか由来しない。
もしかしたら宮古が発祥なのかもしれない」と話しました。

また、土肥さんは、外間遺跡から出土した男性の人骨は
身長が高めで体形はガッチリしていたとし、
「一般的に貝塚時代の人は海によく出ていて、上半身がガッチリしている。
農耕時代になると、下半身がガッチリする傾向だ。
外間の人は上半身がガッチリしていたので、
海の仕事をしていたのかもしれない」と予測しました。

さらに、土肥さんは近年の宮古島の発掘状況について、
グスク時代の人骨の出土が増えきていると説明し、
「グスク時代が始まる直前の遺跡が出てきており、
今、宮古からワクワクするような
人類史の発見が見つかっている」と強調しました。
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