大浦湾の生物多様性が失われることに懸念の声

「大浦湾の生物多様性が失われることに懸念の声」
方言ニュース6月23日(木)放送分。
今日の担当は上地和夫さんです。
琉球新報の記事から紹介します。

アメリカ軍普天間飛行場の移設先とされる
名護市辺野古が面する大浦湾では、2006年からの10年間で、
エビやカニ、ハゼなどの新種合わせて26種が相次いで発見されています。

大浦湾の豊かな生物多様性を裏付けた形で、
移設に向けた政府の埋め立て計画に、研究者から
「大浦湾の環境は大きく変わる。生物の多様性も失われてしまう」
と懸念する声が上がっています。

元琉球大学助教の小渕正美博士がまとめたリストによりますと、
2006年以降に大浦湾の新種で最も多かったのは節足動物の仲間で、
「オオウラコユビピンノ」や「イトアシロウソクエビ」など合わせて15種に上り、
国内では初めて記録される種類もあります。

多様性を支えるのは独特の環境で、
大浦湾には大浦、汀間の2つの川が注ぎ、
河口部の両岸にはマングローブ林が続き、
浅瀬にはジュゴンが餌場にする藻場のほか、
エビやカニが身を隠せる泥場や砂場もあります。

沖に出れば、世界有数のアオサンゴ群集も広がっています。小渕氏は
「生き物にとって住む環境の幅が広く、それが生物多様性につながっている」
と分析し、埋め立てについて
「その場所だけでなく、湾全体のバランスを崩してしまう」と指摘し、
生物多様性の消失に危機感を示しました。

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