浦添市で講演会「障害者と沖縄戦」開催

方言ニュース   
2015年6月8日(月)放送分

担当は糸数昌和さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

浦添市はきのう、沖縄戦当時に障がい者が
置かれていた立場を学ぼうと、
障がい者と沖縄戦と題した講演会を開き、

県視覚障害者福祉協会会長で強度弱視の
山田親(しん)幸(こう)さん(80)歳が北部の山中に
避難した戦争体験を説明し、

「家族に守られたから生き延びることが
できた。戦闘の激しい南部にいたら
生きていなかったかもしれない」
と語りました。

山田さんは戦中、大宜味村の山中で
食料不足に苦しみながら家族11人で
3カ月間暮らし、
家族が食料を探しに出る昼間に
2歳の妹の子守をしましたが、

妹が空腹で泣くと周りから
「アメリカ兵に聞かれる」と怒られ、
「両親がアメリカ兵に殺されて
帰って来なかったらどうしよう」
と不安にも駆られました。

また、山田さんには右半身が不自由だった  長兄がいましたが、
学校で米食い虫と心ない言葉を浴びせられ、
長兄は強い負い目を感じてか、
危険が大きい地域の見張り番をするなどの
軍国少年になったということで、

山田さんは「死んでも構わないと、
せめてもの戦争協力だったのだろう」
と振り返りました。

沖縄国際大学の安仁屋政(まさ)昭(あき)名誉教授は、
弱い立場にある人たちが強いられた
悲惨な体験は十分に語り継がれていないと指摘しました。  (了)

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