東京の沖縄料理店「南風」が閉店

方言ニュース
2015年3月9日(月)放送分

担当は糸数昌和さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

創業67年を数え、東京の沖縄料理店で
草分け的存在の新宿歌舞伎町の
「南風(なんぷう)」が今月末で
閉店することになりました。

店主の前田清美さん(68)歳は「体力的にきつくなって、
継ぐ人もいない。
引き際だと思う」と話しており、

沖縄出身者の心のよりどころだった老舗が
消えることになります。

南風は戦後の焼け野原だった新宿で
前田さんの両親が始めたもので、
苦労して沖縄の食材を仕入れ、
三線の名手だった父親が民謡で
客をもてなしました。

苦学する若者には食事をさせ、
終電後はたびたび店に泊め、
「始まりも終わりもない店」
とも呼ばれました。

店の2階に住んでいた清美さん姉弟は朝、
寝ている酔客をまたいで
登校したということで、

学生時代から60年、
南風に通う東京沖縄県人会の渡久山会長は
「おやじから三線を習い、土間で寝た
こともある。多くの沖縄人の慰めと
なった店だった」と懐かしみました。

嘉手納清美として歌手や女優として
活躍した後、1982年に店主となった 
清美さんは
「毎晩、お客さんが島唄を
大合唱し、カチャーシーを舞った。
沖縄人が楽しんでくれたから
67年も続けられた」と話しました。
               

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