八重山石垣市のデンシンヤーを県指定史跡に指定

2021年8月30日(月)放送分

担当は上地和夫さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

県教育委員会は27日付で、
石垣市の「海底電線陸揚室跡」を
県指定史跡に指定しました。
「海底電線陸揚室跡」は
地元では「デンシンヤー」と呼ばれています。

海底電線陸揚室跡は1897年、
陸軍省臨時台湾電信建設部が建設し、
本土と台湾の基隆を結ぶ海底電線の、
重要な中継基地となっていました。
沖縄戦当時、アメリカ軍とイギリス軍の標的となり、
空襲による無数の弾痕が建物に残っています。

戦後、無線電話の発達に伴い、
海底電線陸揚室としての役目を終え、
旧逓信省から日本電信電話公社、
現在のNTTを経て、
1985年に石垣市に無償譲渡され、
86年に石垣市指定史跡に指定されました。
敷地内には建物のほか、
石積みや通信員が使っていた貯水用タンク、
井戸などが現存します。

県文化財保護審議会は
「県が近代の通信情報網に組み込まれた
社会情勢を示すとともに、
八重山諸島における沖縄戦の痕跡を
残すことで重要な遺跡と評価される」
と答申し、
金城弘昌県教育長は
「新たな史跡の指定は、
文化財の保存・継承の観点から大変喜ばしい。
石垣市教委員会と連携し、
文化財の保存と継承に努めたい」
コメントしました。

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