沖縄渡名喜方言辞典を発刊

2021年8月18日(水)放送分

担当は上地和夫さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

30年以上の年月を経てまとめられた
「沖縄渡名喜方言辞典」が
このほど発刊されました。
1079ページにも及ぶ辞典には
およそ1万7千語が収められ、
別冊で索引も付いています。

著者は渡名喜村出身の故比嘉松吉さんで、
渡名喜方言の衰退を危惧した比嘉さんは、
1983年ごろから渡名喜方言の
収集作業に取り掛かりました。

しかし、純粋な島の方言を話してくれた
古老が年々少なくなり、
自身の体調不良などもあって執筆作業は
中断と再開を何度も繰り返しました。

そうした中、長年にわたって元沖縄大学教授の
高江洲頼子さんが作成に携わり続け、
学術的な価値付けを行い発刊にこぎ着けました。

村内でこのほど行われた発刊を祝う式典で、
高江洲さんは
「松吉先生とのご縁により、
仕事をさせていただき感謝いっぱい。
渡名喜の生活が見える辞典だ」
と感慨深げに述べました。

また、著者の遺志を受け継ぎ、発刊に尽力した
88歳の親族の男性は
「3千年の文化遺産を載せている事典は
私たちの宝物である」
と思いを込め、村民の1人は
「方言を聞いてもすぐ忘れてしまうので、
これからは自分で調べられてうれしい」
と事典を手に取り歓んでいました。

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