貴重な三線 人間国宝に寄贈

 方言ニュース   2020年11月10日(火)
きょうの担当は宮城葉子さんです。
琉球新報の記事から紹介します。

戦後の琉球古典音楽安冨祖流隆盛の基盤を築いた宮里春行師匠の制作した三線2丁が
このほど、琉球古典音楽の人間国宝・照喜名朝一さんと息子の朝國さんに寄贈されました。
春行師匠の息子の宮里辰秀さんらの協力の下、来年卒寿記念公演を控える朝一さんへの激励と、朝國さんの昨年度文化庁芸術祭音楽部門優秀賞受賞を記念して贈られたものです。寄贈された三線は春行師匠が琉球政府に
勤めていた頃に、指導ために訪れた八重山で仕入れた黒木を成形して、1950年代頃に作られたとみられる棹が使用されています。
去年、春行師匠が制作した棹などが
辰秀さんの姉の自宅で保管されていたことがわかり、春行師匠の直弟子に寄贈をしてほしいとの意向で、直弟子の朝一さんが棹をじかに触って選び、三線が贈呈されました。
辰秀さんは安富祖流に今後も三線を寄贈します。
辰秀さんは「三線が指導者の育成や安富祖流のためになればと思う」と話しました。
三線を受け取った朝一さんと朝國さんは「御前風」の5曲を演奏し、辰秀さんは「おやじの芸歴45周年の記念独演会を思い出した」
と感嘆した様子で喜びました。
朝一さんは「でこぼこがなくてきれいにされていた。三線は棹の表面が命だ」と満足げに話しました。
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