紙面で交流 沖縄戦知るきっかけ

方言ニュース  
2020年10月27日(火)
きょうの担当は宮城葉子さんです。
琉球新報の記事から紹介します。
「この歌知りませんか」。
先月、読者からの投稿を載せる「声」の欄に、こんな見出しの投稿文が掲載されました。投稿したのはケアマネーャーの宜野座村の池辺賢児42歳さんで、沖縄戦を体験した男性からの投稿文も寄せられるなど反響が広がり、紙面を介して戦争を知らない世代と戦争体験者がつながりました。
池辺さんは沖縄本島北部の高齢者施設で90歳近い女性が歌った歌が気になり、女性に聞いても曲名が分からなかったため、「時は昭和20年、沖縄上陸したゆえにアメリカ兵に捕虜とられ、甲板暮らしで苦労する。甲板生活嫌なれど、もはやMPに着替えられ、朝と晩との握り飯、食えや沖縄、懐かしや」との歌詞も含めて投稿しました。
これに対し、「この歌では」と情報を寄せたのは現在の名護市一部、屋部村出身で、
那覇市の冝保栄次郎さん86歳です。
冝保さんは家族とともに米軍に捕らわれ、田井等の収容所に運ばれ、戦後、屋部に戻ってからこの歌を聴きました。
歌は替え歌で、「東京の流れ星」が原曲だと分かり、
池辺さんは今回の件をきっかけに名護市にあった収容所に関心を持ちました。
沖縄戦の記憶の継承が課題となる中、紙面を通した人と人との結び付きが、沖縄戦を知るきっかけにつながりました。
                 

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