大学生らが先祖の家系譜を研究

方言ニュース2020年4月7日(火)
琉球新報の記事から紹介します。

琉球王国時代、士族階級だった者が自らの功績や王家から受け取った褒美(下賜品)、
日記などを王府の役人お墨付きで記録した「琉球家譜」。

その家譜を持つ家系に生まれた沖縄大学3年次の兼城夏芽さん、
新田(あらた)和馬さん、手登根美結さんの3人は
昨年ゼミで出会ったことをきっかけに1年間、それぞれの先祖の琉球家譜を研究しました。

3人は先祖が受け取った王家からの下賜品について種類や数量を分析し、
1700年代に同じ時代を生きたそれぞれの先祖の歴史をひも解き
300年の時を超えて現代につなぎました。

兼城さんは王家の末裔、手登根さんは王家を支えた乳母の子孫、
新田さんは泊の地頭の分家にあたる家系の出身で
3人の共同研究は戦火を逃れた家譜のデータベースを持つ那覇市歴史博物館や
県立図書館で資料を確認し家譜が登録されていることを確認する作業から始まりました。

その後は辞書を引きながら漢文で書かれた家譜の解読に挑戦し
これにより、それぞれの家譜で見つかった下賜品の種類と数をリスト化することができ、
分析の結果、3つの家系で共通して多く見られたのは飾り付きの泡盛や線香でした。

ほとんどを男性が占めていた士族の中で世話役としての功績を認められ
女性が士族となったわずかな数例の1つである手登根さんの家譜からは
女性用の髪飾りや扇子など王妃から贈られた装飾品が多いという特徴も発見しています。
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