作家・下嶋哲郎氏 養豚業再建願う 豚コレラ拡大を受け

2020年1月21日(火)

琉球新報の記事から紹介します。

県内で豚コレラの感染が確認されてからあすで2週間。
沖縄戦後、古里の復興を支援するため
ハワイから豚を運んだことで知られる
県系人らの活動を取材してきた作家の下嶋哲朗さんは
「ウチナーンチュが一丸となり、
並々ならぬ“豚愛”で今回の危機も乗り越えられる」と語り、
早期終息と養豚業の再建を願いました。

「豚小屋に豚がいない」。
戦後に沖縄を訪れたハワイの県系2世の
比嘉太郎さんの一報を受け、
ハワイではすぐに「沖縄救済会」が立ち上がり、
7人の県系人子弟が寄付で集まったおよそ5万ドルで豚を買い付け、
1948年9月、現在の養豚業発展の礎となった豚550頭が
海を渡りました。

ハワイから送られた豚はその後、
品種改良などを重ね順調に増えましたが
86年、豚コレラが21年ぶりに発生し、全島に広がりました。
発生から43日後には県が終息宣言を出しましたが、
下嶋さんは「獣医師らが結束して立ち上がり、
なんとか終息することができたと記憶している」と語りました。

下嶋さんは豚コレラは農家だけでなく全県民の問題だとし、
「豚は沖縄の歴史、伝統、文化そのものだ。
ウチナーンチュの底力を見せ、
一日も早い原因究明と終息を願っている」と述べました。

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