82歳の中学生 絵本の主人公に

方言ニュース  
2018年6月11日(月)放送分

担当は糸数昌和さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

戦中・戦後の混乱期で学校に十分に
通えなかった女性が、80歳にして
学ぶ機会を得て学校に通い、
義務教育修了の証書を受け取った物語が
絵本になりました。

主人公は、沖縄市に住む嘉納初子さん(85歳)で、
タイトルは「82さいの中学生 はっちゃん」です。

沖縄本島北部への疎開から
収容所生活を経て、
戦後きょうだいを学校に行かせるため働き続け、
家庭を持ち、子どもたちが巣立って
やっと自分の時間が持てる時期に、
戦争で学校に行けなかった人を対象にした
中学入学の案内が届き、
学校でいきいきと学ぶ初子さんの姿が
描かれています。

自分が主人公の絵本について初子さんは
「恥ずかしい思いもある。
でもデイサービスに行くより、
学校の方が楽しかった。
引っ込み思案の性格が直って、
自分が思うことを言えるようになった。
自信が付いた」と述べ、
学ぶことで人との会話に積極的になったということです。

作者は名桜大学教授で初子さんの息子の英明さんで、
「沖縄戦の体験は聞くことは
あっても、
その後の暮らしがどうだったのかあまり伝わっていない。
絵本という形で広く子どもたちに
伝えたかった」と語りました。

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