カラー写真でよみがえった対馬丸の記憶

方言ニュース 
2017年12月11日(月)放送分

担当は糸数昌和さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

沖縄市の金城園子さん(85)歳は、
カラー写真でよみがえった対馬丸事件の
犠牲者である母親の島袋末さんの
若かりし日の姿対面し、
「こんにちは」と思わず声を掛けました。

対馬丸事件で、
園子さんは当時49歳だった母をはじめ、
姉、弟、妹の4人を亡くしましたが、
戦前の家族の写真は、7年前に他界した
姉から預かった母親の末さんの写真
たった1枚だけで、この夏、対馬丸記念館に複写した写真を提供しました。

徳島大学の佐原理准教授と学生が
対馬丸記念館でモノクロ写真を
カラー化しましたが、
藍色の着物を着た末さんの姿が
パソコン画面に映し出されると、
園子さんは驚いて一瞬、声を失いました。

写真に写る母は20代ごろで
撮影場所など不明ですが、
園子さんが一緒に過ごした頃の末さんとは「ちょっと違う」としながらも
「生きているみたいねぇ」とうれしそうに
写真を見詰め、
園子さんの娘は「母とおばあちゃんの手がそっくり。カラーになって身近になった」
と目を細めました。

園子さんは「親がいないことは
本当にみじめ。
戦争で何もかもを失った。
戦争だけはしないで」
と学生に思いを託していました。

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