うるま市与那城で 100年以上前の龕屋取り壊し

方言ニュース  
2017年7月10日(月)放送分

担当は糸数昌和さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

うるま市与那城照間でこのほど、
100年以上前に作られた
龕屋の取り壊しが行われ、
区民およそ40人が集まり、
僧侶が龕屋に感謝を伝えてお払いする
様子を静かに見守りました。

龕屋は、遺体を入れたひつぎを墓まで運ぶ輿である
「龕」を収める場所で、
土葬から火葬が一般的になり、
1960年ごろを最後に利用されなく
なったため、取り壊しが決まったものです。

龕は必ず親族以外で担いだということで、
出棺した日は必ず日が暮れてから
死者を出した家の内外を塩で清め、
お払いの意味を込めて、
指笛に見送られながらもう一度龕を
担いで集落から離れた
十字路まで歩きました。

95歳の男性は
「龕の組み立ては慣れないと半日はかかる。
組み立てがうまいから、
照間の葬儀ではいつも呼ばれたよ」
と誇らしげに振り返りました。

また、71歳の女性は
「子どもたちは、龕屋を指で指したら
指が切れるから、指してしまったら口に指を入れて
片足で3回回らないといけないと言って怖がっていた。
ひつぎを墓に納めた後も死者が
ついてくるから重さはかわらないとも
いわれていた」と話し、
恐れとともに地域に親しまれた龕屋を惜しむように見詰めていました。

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