沖縄戦の悲惨さ知って 絵本「なまえ」制作

2017年6月20日(火)

担当は宮城葉子さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

元幼稚園教諭で、
幼児教育の非常勤講師などを務める
北谷町の今秀子さんが、このほど、
絵本「なまえ」を制作しました。

沖縄戦などで命を落とした犠牲者の名を刻んだ
「平和の礎」に、
名前が分からず
「◯◯の妻」「◯◯の長男」などと記された戦没者を題材に、
戦争の悲惨さや平和への願いを込めて書き上げたものです。

「なまえ」は、
主人公のミチ子とその家族、戦時中に生まれた赤ん坊の物語で、
家族に赤ん坊が生まれ、新たな命の誕生を家族で喜びました。
しかし、地上戦は激しさを増し、食べ物はなくなっていき、
「赤ん坊が泣くと、米兵に見つかる」
との理由からガマを追い出され、
赤ん坊は間もなく命を落としてしまいます。

戦後、父親と2人だけ生き残ったミチ子は、
家族の名が刻まれた「礎」を訪れますが、
赤ん坊の名は「◯◯の次男」と表記されていました。

今さんは
「一人一人に付けられた名は、
誕生した喜びや未来を託し両親が付ける。
その子が存在していた証しで、
誕生したドラマや歴史があったはずなのに、
戦争で名を失った子どもたちがいる。
幅広い年代に戦争や今の社会情勢を
考える一つのきっかけにしてほしい」
と語っています。

絵本は県内書店で販売されています。
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