神奈川の沖縄県系人足跡をつづった書籍が発行される

2016年8月10日(水)放送分
担当は上地和夫さんです。

古くから多くの沖縄県系人が集住し
「リトル沖縄」と呼ばれてきた
神奈川県横浜市鶴見区の県系人の足跡をつづった
「横浜・鶴見沖縄県人会史―鶴見沖縄県人百年の歩み」が
このほど、発行されました。

横浜・鶴見沖縄県人会は
「戦前戦後の苦難を生き抜いてきた人たちが高齢になり、
このままだと県人たちの大切な記憶は風化してしまう」と危機感を抱き、
県人会の記憶を次世代につなごうと、11年かけて完成させました。

県人会史は3編で構成されており、
「生活・労働編」では、沖縄出身者が戦前どのように鶴見区に定着し、
どんな活動をしてきたかについて記しているほか、
県人に関する新聞記事などを紹介しており、
戦後当初の暮らしの様子や「沖縄差別」にも言及しています。

また、「組織・活動編」では、
県人会の発足や活動の経緯、各郷友会組織の活動も詳しく掲載し、
「芸能・スポーツ編」では、戦前戦後の鶴見における沖縄芸能と
その躍進の軌跡、沖縄角力などの様子を写真で紹介しています。

編集委員長の並里典仁さんは
「資料の紛失があったり、聞き取り調査をやったりするなど、
先輩たちのご苦労の積み重ねで完成できた。
難しい面があり、時間がかかったが、出版できてほっとした」と語りました。
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