2016年3月1日(火)放送分
担当は糸数昌和さんです。
琉球新報の記事から紹介します。
特別支援学校を除くすべての県立高校で
きょう、卒業式が行なわれますが、
福祉施設や病院で腹話術や手品を披露している
福祉タレントの春風トシローさん、
本名伊波利夫さん(76)歳も
きょう、泊高校夜間部を卒業します。
戦争で失った青春を取り戻し、
夢だったという高校生活を終える伊波さんは
「周りの人が支えてくれた」
と在学3年間を振り返り、
卒業後は放送大学に入学する予定で
「コミュニケーションについて学び、芸に幅を付けたい」
と向学心を燃やしています。
伊波さんは沖縄戦で父を、戦後の食糧難で妹を亡くし、
裕福だった一家は大黒柱を失って貧しくなりました。
中学卒業後は家庭を支えるためにアメリカ軍基地で皿洗いとして働く中、
高校生活には「ずっと憧れがあった」ということで、
制服の高校生を見るたびに心の穴を意識する人生でした。
泊高校入学が決まり「天にも昇る気持ちだった」
と振り返る伊波さんは、
「学ぶ楽しみを知った」と通常4年間で取る単位を
3年で全て履修しました。
孫のような同級生に「伊波君」と呼ばれ、思わず聞き返すと
「だってクラスメートでしょ」と言われたことがうれしかったということで、
大学生活では
「得た知識を社会に還元したい」と目を輝かせています。