那覇市が御茶屋御殿の復元と文化財指定目指す

2016年1月6日(水)放送分
担当は上地和夫さんです。

琉球新報ニュースです。

那覇市は来年度、琉球王府の迎賓館ともいわれ、
沖縄戦で焼失した那覇市首里崎山町の御茶屋御殿の復元を目指し、
国の文化財指定に向けた調査を行う計画を進めています。

市の御茶屋御殿調査は初めてで、
現存する石垣などの現況測量と図面の作製を行う方針で、
実現すれば御茶屋御殿復元への大きな前進となります。

御茶屋御殿は1677年、中国からの冊封使を迎えるために造られ、
首里城の東にあったことから「東苑」とも呼ばれました。

冊封使や薩摩の在番奉行を接待する外交の場として用いられ、
宮廷文化を担う人々が芸能の技量を発表する場でもあり、
琉歌や歌三線、組踊、武芸など琉球文化の発展に寄与しました。

1930年にはわずかに残っていた茶亭などが
首里城正殿とともに整備され、
旧国宝指定の候補になったものの、沖縄戦で焼失しました。

戦後、跡地はカトリック沖縄教区が購入し、
教会と幼稚園を建設しましたが、
敷地内には石垣などの遺構が現存しています。

また、県埋蔵文化財センターによる発掘調査で
遺構の一部が確認されたほか、
写真や図面など資料も発見されました。

市では、調査内容などを踏まえて文化庁と調整し、
方向性を決定するということです。
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