戦争で奪われた学びの時間 体験者の想い 出版

2015年11月10日(火)放送分

担当は伊狩典子さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

戦後の混乱と貧困で義務教育を受けられず、
戦後60年以上たって夜間中学に通う生徒らの
戦争・戦後体験の聞き書きをまとめた本
「まちかんてぃ!動き始めた学びの時計」が
このほど、出版されました。

那覇市の学校NPO法人
珊瑚舎スコーレ夜間中学校がまとめたもので、
1926年から1951年生まれの58人の体験が
収められています。
生徒たちの多くは学べる喜びを口にしていますが、
戦後の混乱の中、両親が死亡し学校に行けなかった男性は、
「無学ですと社会に出て困る。
勉強をして、同じ人間としてきちんと肩を並べて歩きたい。
戦争で亡くなった人も、生き残った自分たちも
戦争の犠牲者です」と語っています。

また、
「たえず学歴ではなく学校に行きたい、学びたいと思い続けてきた。
自分は何のために生まれてきたのか。
あと何年生きるか知らないが、残された時間を自分のために使いたい」
と話す女性もいます。
聞き書きしてきた遠藤知子さんは
「『戦後70年』と言われるが、生徒たちの体験を聞いていると、
戦争の影響は長く続いており、戦争に『後』はないと感じる」
と強調しました。
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