今帰仁村に船の転覆事故の犠牲者を悼む慈魂碑を建立する

方言ニュース 
10月8日 放送分

今日の担当は伊刈典子さんです。
琉球新報の記事から紹介します

1947年10月1日、今帰仁村の古宇利島から出港した船の転覆事故で亡くなった
犠牲者を悼む「慈魂碑(じこんひ)」が完成し、きのう除幕式が開かれ、
事故から68年の歳月を経て建立された碑を前に、遺族らが祈りをささげました。
亡くなったのは今帰仁村陸上競技大会に参加する予定だった児童生徒や教員らで、
事故にあった木造の帆掛け船には、陸上大会の参加者や応援のために
定員オーバーの100人の島民でひしめき合っていました。

島を出港した船は今帰仁側の岸の近くで転覆し、
泳いで岸まで渡った人や、多くの漁師が島からサバニで駆けつけましたが、
10人が亡くなりました。当時中学2年生だった82歳の女性は
船が転覆した瞬間に海に投げ出されて気を失い、数時間後に姉の家で目覚め、
「今でも船に乗るのが怖い。事故で後輩や先生を亡くしたので、
 ずっと心に引っ掛かっていたから碑ができてよかった。
 慰霊祭には毎年参加したい。」と碑の完成を喜びました。

また、相談役として建立に携わった男性は
「乙女たち10人の碑を慰めるために花添えできれば」と力を込め、
叔母を亡くした男性は
「手を合わせる場所が出来てよかった。」と話しました。

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