ペンネームは祖母の名。直木賞作家朝井まかてさん

2014年2月13日(木)放送分

担当は伊狩典子さんです。

琉球新報の記事から紹介します。

歌人中島歌子を題材にした小説
「恋歌(れんか)」で
第150回直木賞を受賞した
朝井まかてさん(54)歳は、
祖母が沖縄出身の3世で、
「まかて」のペンネームは
祖母の名からもらったということです。

朝井さんの祖母、新里まかてさんは
1915年生まれで、
新里家は首里城に勤める役人の家でしたが、
琉球処分の後、国頭村宜名真に
移り住みました。
祖母の父は先進的で
「これからの時代は女も学問をした方がいい」と、
兄とともに大阪に送り出し、
愛媛県出身の祖父と結婚しましたが、
36歳の若さで胃がんを患い
5人の娘を残して亡くなりました。

ペンネームは祖母の分まで生きたいという
願いが込められているということで、
朝井さんは
「沖縄の親戚にも聞いたが、
 マカテという名の意味が分からない。
 意味探しはやめようとも思ったけど、
 分かるものなら知りたい」
と話し、これまで江戸から
幕末の市井の人々を多く描いてきましたが、
沖縄については
「薩摩にやられっぱなしだったのかな、
 とも思うと悔しい。
 『琉球処分』にしてもそう。
 そうしたことも調べて、
 落ち着いたら沖縄のことも書いてみたい」
と目を輝かせています。
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