石垣市でノンフィクション作家下嶋さんが講演

2014年10月7日(火)放送分

担当は伊狩典子さんです。

ノンフィクション作家、
下嶋哲朗(しもじまてつろう)さんの講演会
「もういちど『ヨーンの道』・・を」
がこのほど、石垣市の
大浜信泉(おおはまのぶもと)記念館で開かれ、
およそ70人が会場を訪れました。

ヨーンの道は島の中心から、
島の裏側の川平湾までの
18キロにおよぶ道で、
海岸沿いの密林のなかに細々と続き、
昼でも暗いことから、
ヨーンの道=夜の道
と呼ばれていました。
下嶋さんは37年前、家族とともに
石垣市川平で1年間生活し、
「みそばあちゃん」こと宮良幸(さち)さんが、
戦争で銃弾を受けた影響で結核になった
夫を看病するため、夫に代わり、
5人の子どもたちを支える一家の大黒柱として
ヨーンの道を通った体験談を基に、
1979年にヨーンの道を出版しました。

第1回やいま文化講座として開かれた講演で、
下嶋さんは
「書いた当時は戦争の悲劇を書いたと思ったが、
 ヨーンの道は今日的内容だと思う」
と話し、
「他人の体験を自分の体験として膨らませ、
 聞いた話を思い続け、次の人に語ってほしい。
 何があるか分からない時代だからこそ、
 強風でも折れずにいる草のような、
 芯が一本通った勁(つよ)さを求めてほしい」
と話していました。

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