精神科医の明橋大二氏による講演が行われる。

多くの母親から支持されるシリーズ本「子育てハッピーアドバイス」の著者で精神科医の明橋大二(あけはしだいじ)さんがこのほど、県母子保健大会で講演し、子どもの健やかな成長には自己肯定感を育むことの重要性を紹介しました。この中で、明橋さんは、体罰は子どもの成長に不利益しかないことを強調した上で、抱っこなど情緒的な要求に応える「甘え」が安心感を与え、子どもの自己肯定感が育まれる仕組みを解説しました。自己肯定感は0歳から3歳で土台が築かれますが、明橋さんは低くなる要因として虐待や希薄な親子関係のほか、周囲の言動に敏感な子どもがいることへの理解が進んでいないことを挙げました。敏感な子どもについては「人の気持ちを読むことに優れているため手が掛からない子になる。しかし本当は構ってほしい。さらに良い子になろうとするが、放っておかれてしまい、さみしくなる。そして自己肯定感が低下するという悪循環を生む」とし「子どもが背伸びしていることに気付かなければならない」と指摘しました。この概念は欧米では広がっているが、日本ではまだ知られていないとして認識が広まることを期待しました。
再生