平和への想い歌に乗せ 75年目の対馬丸慰霊祭

2019年8月27日(火)

琉球新報の紙面からお伝えします。

太平洋戦争中に
児童や一般の疎開者を乗せた「対馬丸」が
アメリカの潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没し
8月22日で75年を迎えました。

那覇市若狭の慰霊塔
「子桜の塔」で慰霊祭が開かれ
生存者や遺族らおよそ550人が参列し
犠牲者1484人の冥福と平和を祈りました。

毎週土曜に集まり
慰霊祭に向けて合唱の練習を重ねてきた
「つしま丸児童合唱団」は
この日は現役の合唱団員の小学生らに加え
中高生のOB・OGも参加し
「小桜の塔のうた」など3曲を歌い上げ
児童らはそれぞれの思いを胸に
歌声を響かせていました。

6年生の姉にあこがれ合唱団に入った
天妃小学校3年生の與那原颯さん9歳は
昨年に続き2回目の参加で
「緊張したけど思った通りに歌えた」と
ほっとした様子でした。

対馬丸の撃沈について
「たくさんの人が亡くなって悲しい。
戦争で人が亡くなるのはいやだ。
平和な世界になってほしい」と
言葉を選ぶように語っていました。

糸満南小学校2年生・上原諒さん8歳と
姉の糸満中学校2年生・一路(ひろ)さん14歳は
姉妹で参加し平和への思いを歌に乗せ
諒さんは、
「戦争は命を失うから2度とやってほしくない」と話し
一路さんは
「若い世代が対馬丸や沖縄戦のことを
伝えていかないといけない」と
継承への思いを新たにしていました。
再生