井上ひさしさん原案で
沖縄戦を描いた劇団こまつ座の舞台
「木の上の軍隊」がおととい、
沖縄市で初上演されましたが、
舞台で「沖縄ことば」を指導しているのは
北谷町出身の今科子(こんしなこ)さん(46)歳です。
舞台は沖縄戦当時の伊江島で、
終戦を知らずに木の上に隠れて2年間を
過ごした日本兵と沖縄の新兵の
実話を基にした物語で、
2013年の初演から指導しています。
戦時中の新兵は上官の日本兵と話す際は「標準語」、心の声などはウチナーグチと
使い分けており、
今さんも「言葉遣いやイントネーションに気を付けている」と心掛け、
せりふの一つ一つに思いを込めています。
中でも、米軍の野営地が拡大する様子を
目の当たりにした新兵のせりふ
「野営地はでーじ大きく、高く、
いっぺー強ーくなっていく」では、
戦後74年も米軍基地が
集中させられている今の沖縄に
つながるとの考えから、
「今に至る言葉だから大事にしてほしい」
と役者に伝えています。
沖縄戦を実際に経験した世代が減り、
継承が課題となる中、今さんは
「沖縄はいまだ犠牲の中にいる。
戦争はまだ終わっていない」と語り、
今の沖縄につながる劇中のせりふに
自身の気持ちも重ね、沖縄戦を語る言葉に思いを託しています。