2019年6月11日(火)
担当は宮城葉子さんです。
琉球新報の記事から紹介します。
沖縄市内に伝わる民話を調査した報告書が
このほど、完結しました。
調査は1980年から始まり、
故人の遠藤庄治沖国大教授が中心となり進められ、
市の調査員や学生らが各地域の聞き取りをしました。
録音テープは270本を超え、
収録されたおよそ4500の民話のうち、
これまでおよそ300話がまとめられ、
キジムナーなどの妖怪の民話を中心に収録した
「怪異譚編」を最後に、報告書は合わせて10冊となりました。
報告書は1999年の「むかしばなし」から始まり、
「中北部編」や「東西部編」などの地域別のまとめ、
「笑い話編」、それに「広域伝説編」などの分類別で
収録されました。
話者による語りのままの方言原語に
共通語訳が併記され、
音声を方言のまま文字に起こした後は、
共通語に翻訳する作業もあり、
報告書の作成は長期間に及びました。
市内にはグスクがあり、
交通の要所であったことから、
他市町村の民話も伝承され、
人の移動の形跡が分かるということです。
調査初期に関わった読谷村史編集室の辺土名初美さんらは
「高齢者が亡くなればその人が持っていた話もなくなる。
消えかかろうとするものを残すという
使命感に駆られていた。
地元の民話を地域の人に知ってほしい」と話しました。