野國總管の偉業を後世に 伊波さん研究まとめ、発刊

2019年3月26日(火)

担当は宮城葉子さんです。

琉球新報の紙面からお伝えします。

沖縄に甘藷を伝え
民衆を飢えから救った嘉手納町の偉人
「野國總管」の偉業を後世へ継承しようと
元嘉手納町教育長の伊波勝雄さん80歳が
著書「平成甘藷考-野國總管を中心に-」を
まとめました。

伊波さんは、2005年に嘉手納町で開かれた
「甘藷伝来400年祭」の
記念史編さんに携わったのを機に
10年以上に渡って
資料収集や調査研究を続けてきました。

野國總管の功績だけでなく
人間性や洞察力に感銘を受け
教育長時代には、野國總管が体現した
「国際性」や「社会貢献」などの遺徳を
町の教育目標に盛り込むなど 
町独自の教育指針も打ち出してきました。

本書では
野國總管の出自や人物像のほか
甘藷が琉球から鹿児島を経て
全国へと広がる経緯、
野國總管祭や甘藷フォーラムについても
詳細をつづっています。

野國總管が
中国から持ち帰った甘藷の栽培と普及に尽力し
沖縄農業の画期的な発展に寄与した儀間真常や
品種「沖縄100号」の生みの親・松永高元など
18人の功労者についてもまとめています。

伊波さんは
「嘉手納町民の一人として
わが国の甘藷の始祖である野國總管を
多くの人に知ってほしい」と
3年がかりで本を書き上げ、
「本書が嘉手納町の歴史的資料としてだけでなく
教育書としても活用されることに期待したい」
と話しています。
地名や人名には全てふりがなが振られ、
子どもにも読みやすく配慮されています。
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